答えが欲しい、それも正解が!?

答えが欲しい、それも正解が、
しかも、即座に!

年明けから職場において、プロジェクトマネジメントに関する研修講師の養成をしております。
昨年は、プロジェクトマネジメント基礎。
今年は、品質マネジメントとリスク・マネジメントです。
座学と演習について、理解を深めていくことになるのですが。
毎度のことながら、考えさせられることは、演習の課題とその答え(正解)についてです。

演習課題については、簡単なものがいい。
例えば、引っ越し(オフィス移転)とか。
うーん、本当にそれでよいのでしょうか。
ちなみに、我が社では、過去のプロジェクトを課題にしております。それ故、課題をこなすことは
容易なことではありません。
さらに、演習終了後の講評時において、受講生から、「正解はないのですか?」と質問されます。
さて、どう答えるか。
「正解はない(すべてが正解)」

そもそも、プロジェクトとはどのようなものでしょうか。
PMBOKでは、「独自のプロダクト、サービス、所産を創造するために実施する有期性のある業務」
と定義しています。
いままで存在しなかったものを生み出すのに、はじめから正解があるのでしょうか。
たとえ答えを教えられたとしても、その答えが明日には役に立たないこともありえます。
絶えず軌道修正が必要です。そう、プロジェクトは生きていますから。

毎度毎度、答え(勉強)は教えられませんが、答えの導き方(勉強のやり方)は教えられます。
プロジェクトはトライアンドエラーの繰り返しです。私には人生と同じように思えるのですが。
エラーをできるだけ少なくして、最短で成功へと導くこと。その道標を示すこと。
これが、プロジェクトマネジメント系講座の目的なのですが。

さて、プロジェクトをマネジメントするには、天才の頭脳もMBAもいりません。しかし、プロジェクトを
期限通りに予算内で完成させるには、特別のスキルがいります。 
  (世界一わかりやすいプロジェクトマネジメントより)

すなわち、「PMBOK」をやるということになるのですが、
私の無茶苦茶な理解では、PMBOKをやるということは、誰がやってもできる(成功する)、再現性がある。
PMBOKではココまでは言っていません。「プロジェクトの成功の可能性を高める」としか言っていません。
なので、プロジェクトに応じて、身の丈に合わせる(テーラリングする)ことが必要になります。

最後に、なぜ、「これはこれ、それはそれ」、算数は算数、国語は国語になるのでしょうか。
「プロジェクト品質マネジメント」の内容は、品質マネジメントとほぼ同じです。
商品や業務の品質を高めること。
これは何に繋がるのでしょうか。
ヒューマンエラーの防止にも繋がります。
品質マネジメントは安全管理にも繋がります。
では、リスク・マネジメントはどうでしょうか。

即座に答え(正解)が求められる時代において、物事を幅広く捉え、正解を導き出す「道標」を示すことこそ重要なことではないでしょうか。

皆さんのお考えはいかがでしょうか。

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元・国土交通省 航空局勤務。 航空保安無線施設の維持管理、工事監督、設計・積算業務を20年以上担当し、現場リーダーとして数多くのチームマネジメントと人材育成に携わる。 その後、航空保安大学校にて教官として後進育成に従事。プロジェクトマネジメント研修をゼロから立ち上げ、現場視点に立った研修スタイルに定評がある。 現在は、「育てるのが苦手な現場リーダー」の支援をテーマに、人材育成・チームビルディング研修・コーチングを実施中。 「理論だけで終わらせない、“使える育成”がモットーです」