「リスクは黙って通り過ぎてくれない」

プロジェクト・リスク・マネジメントの名著
『熊とワルツを』の中に、こんな一節があります(P.32 参照)。

リスク管理の責任は、リスクを無視した場合に代償を支払うことになる当事者が負わなければならない。

しかし、現実には――
責任を弱い立場の人に転嫁する。
あるいは、誰も責任を取らない。
そんな場面を目にしたことはありませんか?

もちろん、事が公になれば、話は別になるのでしょうが…。


人生の航海においては、
「まいた種は自分で刈り取らなければならない」ものです。

私は常々、「人間は自然には勝てない」と感じています。
だからこそ、何事にも謙虚な姿勢で臨むべきだと思うのです。

(もっとも、私が本当に謙虚かどうかは…ちょっと怪しいですが笑)


リスクというのは、見て見ぬふりをしても、勝手に通り過ぎてくれるものではありません。

でも、リスクを直視するのが怖いから、よくこんな言葉が出てきます。

  • 「そんなことを言っていたら、先に進めないよ」
  • 「起きてから考えればいいでしょ?」
  • 「みんなが賛成してるのに、なぜ水を差すの?」

――その結果、もし問題が起きたら?

「言い出しっぺ」に責任を押しつける。
うまく乗り越えたら、感謝の言葉ひとつもなく、
「私の功績です!」「私のリスク・マネジメントのおかげです!」と自画自賛する人まで現れる始末。

今も、そんな場面はあるのでしょうか?


本来、何かを始める前に、リスクは抽出しておくべきものです。
そして、時には**「第六感」**も大事になることがあります。


そんなことを言っている私自身――

仕事では「リスク・マネジメント」ができるのに、
自分の人生になると、うまくできない時があるんです。

なぜなんでしょうか?

たぶん、自分のことを客観的に評価するのが難しいからだと思います。

だからこそ、
自分一人ではできないことは何か?
と自問することは、とても大切なのではないでしょうか。


今日も、あなたにとって素敵な一日となりますように。

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元・国土交通省 航空局勤務。 航空保安無線施設の維持管理、工事監督、設計・積算業務を20年以上担当し、現場リーダーとして数多くのチームマネジメントと人材育成に携わる。 その後、航空保安大学校にて教官として後進育成に従事。プロジェクトマネジメント研修をゼロから立ち上げ、現場視点に立った研修スタイルに定評がある。 現在は、「育てるのが苦手な現場リーダー」の支援をテーマに、人材育成・チームビルディング研修・コーチングを実施中。 「理論だけで終わらせない、“使える育成”がモットーです」