器を大きくするってどういうこと?
〜怒りに振り回されない自分になるために〜
「なんでこんなことでイライラしちゃうんだろう」
「また怒ってしまった。器が小さいな、自分……」
そんなふうに感じたこと、ありませんか?
私自身、かつてはすぐ感情が爆発してしまうタイプでした。
ちょっとした一言に傷ついたり、思い通りにならないことに腹を立てたり。
そして、あとから自己嫌悪に陥る——そんな日々でした。
でも最近、少しずつ気づいてきたことがあります。
それは、「器が大きい人」というのは、“怒らない人”ではない、ということです。
■ 「器が大きい人」ってどんな人?
世間でよく言われる「器の大きい人」という言葉。
なんとなく「優しい人」「我慢強い人」「怒らない人」というイメージがあるかもしれません。
でも本当は、「感情を感じない人」ではなく、
**“感情が湧いたときにどう扱うかを選べる人”**のことなのだと思います。
言い換えると、怒りや不満が生まれたとき、
それにすぐ反応せずに、**“一呼吸おいて対処できる人”**です。
私たちは日々、たくさんの出来事に出会います。
腹が立つこともあれば、悲しくなることもある。
器が大きい人とは、それらを受け止めた上で「どう動くか」を選べる人。
つまり、“感情に振り回されない”人です。
■ 怒りの奥にある「わかってほしい」という気持ち
そもそも、人はなぜ怒るのでしょう?
それは、
・自分の期待通りにならなかったとき
・理解してもらえなかったとき
・無視されたと感じたとき など
多くの場合、その奥には「わかってほしい」という願いがあります。
私自身、以前はイライラをぶつけることで、自分の存在を認めてもらおうとしていたのかもしれません。
でもそれでは、逆に人との距離は広がってしまう。
だからこそ、怒りをコントロールするということは、
単に“抑える”ことではなく、自分の本当のニーズに気づいてあげることなのだと思います。
■ 器を大きくするための5つのステップ
ここからは、私が実際に試して効果があった、「器を大きくする」具体的な方法を5つご紹介します。
STEP1:感情を否定せず、「今、私は怒っている」と認める
怒りを抑え込むのではなく、まず気づくこと。
「いま、私は怒っているな」と心の中で言語化するだけで、気持ちに少し距離ができます。
STEP2:反応の“間”をつくる
怒りのピークは6秒。深呼吸や、少し目を閉じて数を数えるだけで、衝動的な反応を防げます。
STEP3:「本当に反応する価値があるのか?」を問い直す
この場面、本当に怒る必要がある?
ただの自分のプライドが刺激されたのでは?
“選択する感情”に気づく練習です。
STEP4:「この人がこう言った背景に、何があるんだろう?」と想像してみる
相手も完璧じゃない。もしかしたら余裕がないのかもしれない。
「理解しよう」とする姿勢が、器を広げてくれます。
STEP5:日常で“許す”練習をしてみる
電車でぶつかった人、レジで無愛想だった人。
「まあ、いっか」「そういう日もある」と、受け流してみる。
小さな許しの積み重ねが、やがて大きな器につながっていきます。
■ 器は、育てられる
器の大きさって、生まれつきじゃないんです。
何度も感情がこぼれながら、試行錯誤していく中で、少しずつ育てていくもの。
私も、今ようやくそのスタート地点に立ったような気がしています。
■ まとめ:まずは「気づくこと」からはじめよう
「自分の器を大きくしたい」
そう思ったときが、変化の第一歩です。
怒りに飲み込まれそうになったら、まずは一呼吸。
「この感情はどこから来ているんだろう?」と問いかけてみてください。
そして、感情に巻き込まれない“自分との距離感”を持つこと。
それこそが、「器を広げていく」ということなのだと思います。
🔶次回予告
次回は、「怒りをうまく“逃がす”方法」について、
さらに具体的にご紹介していきます。お楽しみに!
佐藤好彦
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