相手の怒りにどう向き合えばいいのか?
怒っている人を見ると、ドキッとしますよね。
「え、私が何かした?」
「どうしよう、面倒くさいな…」
「もう放っておこうかな…」
そんなふうに心がざわつくのは自然なことです。
怒りという感情には、攻撃性や否定のエネルギーが伴うからこそ、私たちはそれを“危険”と本能的に感じてしまいます。
ですが――
その怒りの奥には、実はまったく違う“本当の気持ち”が隠れているのです。
怒りの奥には、必ず「伝えたいこと」がある
アンガーマネジメントの世界ではよく言われますが、
怒りは「二次感情」と呼ばれます。
つまり、本当に感じている一次感情(悲しさ、寂しさ、不安、虚しさ、悔しさなど)を覆い隠す“あとから出てくる感情”なのです。
たとえば、職場で部下がイライラしていたとします。
「なんでちゃんとやってくれないんですか!」
と語気強く言われると、こっちもムッとしますが、
もしかしたらその裏には――
- 「自分だけが責められている気がしてつらい」
- 「このまま評価が下がるのではと不安」
- 「もっと信頼して任せてほしかった」
そんな想いがあるのかもしれません。
「この人は、何をわかってほしいんだろう?」
怒っている相手に向き合うとき、私がよく自分に問いかけるのはこの一言です。
「この人は、何をわかってほしいんだろう?」
そう問い直すことで、
私自身の“防衛本能”も少し落ち着き、
相手の話を“攻撃”ではなく“訴え”として聴けるようになります。
怒っている相手と話すときに意識したい3つのこと
- 正面からぶつからない
→ 反論したくなる気持ちはグッとこらえて、一歩引いて耳を傾ける。 - 相手の「感じていること」に焦点をあてる
→ 「そんなふうに感じてたんですね」「そう思ったんですね」と、“感情”に共感。 - 解決を急がない
→ 多くの怒りは「まず聴いてもらう」ことで自然と鎮まっていきます。
「怒り」は“悪”ではない
怒りを否定する必要はありません。
大切なのは、それをどう扱うか。
怒りの奥には、相手の価値観や守りたいもの、大切にしている想いがあるのです。
それに気づけたとき、怒っている人もまた、
「わかってもらえた」と少しずつ変わっていきます。
最後に:あなた自身を守るために
もちろん、無理して相手の怒りをすべて受け止める必要はありません。
理不尽な怒り、攻撃的すぎる態度からは「距離を取る」ことも大事です。
でももし、少しでも「この人と関係を築き直したい」
「もう一歩、わかり合えたら」と思えたときには――
相手の怒りの奥にある“本当の気持ち”を想像してみてください。
怒りの裏側にある心の声に、そっと耳を傾けられるあなたは、
きっと信頼される存在になっていくはずです。
「相手の怒りの奥にある“本当の気持ち”に目を向けること。
それが関係性の再出発になります。
でも――
では、自分の怒りはどうしたらいいの?
そんな声も聞こえてきそうですね。
次回は、『怒りに振り回されない自分になる方法』についてお話しします。」
佐藤好彦
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