「また怒ってしまった…」を卒業する3ステップ

怒りに振り回されない自分になる方法

朝のちょっとした一言に、
職場の理不尽な対応に、
身近な人の無神経な態度に――

「なんで、そんな言い方するの?」
「どうして私ばかりが…」
そんな怒りがこみ上げてきた経験、誰にでもあるのではないでしょうか。

怒りは自然な感情です。
けれど、そのまま放っておくと、私たちは簡単に「振り回される側」になってしまいます。

今日は、怒りに振り回されないための3つの視点をお伝えします。


1. 怒りは“第2感情”と知る

実は、怒りの正体は「本音の感情のふた」。

たとえば…

  • 傷ついた(でも、悲しいとは言えなかった)
  • 不安だった(でも、弱みを見せたくなかった)
  • わかってほしかった(でも、伝える術がなかった)

そんな「第1感情」がうまく表現できなかったとき、代わりに現れるのが“怒り”です。

つまり、怒ってしまったときには、

「私は本当は、どんな気持ちだったんだろう?」
と、そっと問いかけてみること。

それだけでも、怒りの炎が少しずつ鎮まってきます。


2. 怒りを“逃がす”習慣を持つ

怒りを「抑える」だけだと、いずれ爆発してしまいます。
大切なのは、うまく“逃がす”こと。

たとえば:

  • 深呼吸(吸って、吐いてを5回だけでも)
  • その場からいったん離れる(トイレに行く、席を立つ)
  • 頭の中で「私はいま怒ってるな」と実況中継する
  • 手帳に“怒ったこと日記”を数分だけ書き出す

これは“感情の換気”です。
部屋の空気と同じで、換気をしないと淀んでしまいます。

怒りの感情も、閉じ込めるより「少し外に出す」ことで、自然と落ち着いていくのです。


3. 怒りに対する“セルフイメージ”を変える

「怒ってはいけない」
「怒るなんて大人げない」
そう思っていませんか?

実は、怒ること自体は“悪”ではありません。

怒りとは、「大切なものが傷ついたよ」というサインです。

ですから、

「私、何を大事にしていたからこそ怒ったんだろう?」
と考えてみてください。

たとえば:

  • 「丁寧なやりとりを大切にしてたから」
  • 「尊重されたい気持ちがあったから」
  • 「時間を守ることに誠実さを感じていたから」

こうした「大切にしたかった価値観」に目を向けると、
怒りに飲み込まれるのではなく、怒りを通して“自分を知る”ことができるのです。


怒りは、私を守ろうとする感情だった

怒りに振り回されると、自分を責めたくなります。
「また怒っちゃった…」
「器が小さいな…」

でも、怒りが湧くのは、あなたが何かを大切にしたかったから
それがうまく伝えられなかっただけなんです。

だからまずは、怒った自分を責めるよりも、

「私は、何を大切にしたかったんだろう?」
と振り返ってみてください。

それが、怒りに振り回されない自分への第一歩です。


次回予告

「怒りの背景には大切な価値観がある」
では、その価値観を相手にどう伝えればよいのか?
次回は、“怒らずに伝えるコミュニケーション術”についてお話ししていきます。

どうぞお楽しみに!

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元・国土交通省 航空局勤務。 航空保安無線施設の維持管理、工事監督、設計・積算業務を20年以上担当し、現場リーダーとして数多くのチームマネジメントと人材育成に携わる。 その後、航空保安大学校にて教官として後進育成に従事。プロジェクトマネジメント研修をゼロから立ち上げ、現場視点に立った研修スタイルに定評がある。 現在は、「育てるのが苦手な現場リーダー」の支援をテーマに、人材育成・チームビルディング研修・コーチングを実施中。 「理論だけで終わらせない、“使える育成”がモットーです」