何度伝えても変わらないとき、心が折れそうになるあなたへ

「どうせ伝えても無駄」と思ったとき、考えてみたいこと

「きっとまた分かってもらえない」
「言っても変わらない」
「どうせ無駄だから、もう言わないほうが楽」
――そんなふうに思ってしまう瞬間、ありませんか?

一度、勇気を出して伝えたのにスルーされた。
言葉を選んだのに、誤解された。
それが続くと、自然と「もう言わないでおこう」と気持ちにフタをしてしまうことがあります。

でも、少しだけ視点を変えてみませんか?

「伝えること」と「相手を変えること」は別物

多くの場合、私たちは「伝える=相手を変えること」だと無意識に思ってしまいがちです。
でも本当は、「伝えること」は自分の意思や考え、感情を表現する“行動”であり、
“相手がどう受け取るか”は、相手の領域なのです。

だから、伝えたことで相手が変わらなかったからといって、
「伝えたこと自体が無駄だった」と決めつけなくてもいいのです。

伝えたという事実は、あなた自身の姿勢やスタンスを相手に見せたこと。
それは、すぐに効果がなくても、じわじわと相手の中に残る可能性があります。

伝えるのは、未来をあきらめないという選択

「どうせ無駄」と思って黙ってしまうことは、
“相手の変化の可能性”だけでなく、“自分の声を届ける権利”をも諦めてしまうこと。

もちろん、伝え方やタイミングを考えることは大事です。
でも、伝えること自体をやめてしまうと、お互いの間にある「未来の変化の種」は消えてしまいます。

伝えることは、「未来に希望を持ち続ける」姿勢でもあるのです。

“伝え方”を変えてみる余地があるかもしれない

同じ言い方では伝わらなくても、
言葉を変えたり、順番を変えたり、たとえ話を使ったりすることで、
相手に届くチャンスは増えるかもしれません。

たとえば…

  • 「あなたは間違っている」ではなく、「私にはこう見えたよ」と伝える
  • 「どうしてやらないの?」ではなく、「何か困ってることがある?」と問いかける

伝え方を変えることで、相手との間に風通しが生まれます。


「伝えること」を、あきらめなくていい

「どうせ伝えても無駄」と感じるときこそ、
自分がどんな関係性を築きたいのか、
どんな未来をあきらめたくないのか――
そんなことを、少し立ち止まって考える機会かもしれません。

あなたの言葉には、力があります。
届かないように思えても、静かに相手の心に残っているかもしれません。

だから、今日も一つ、
“伝える勇気”を、自分のために持っていてくださいね。

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元・国土交通省 航空局勤務。 航空保安無線施設の維持管理、工事監督、設計・積算業務を20年以上担当し、現場リーダーとして数多くのチームマネジメントと人材育成に携わる。 その後、航空保安大学校にて教官として後進育成に従事。プロジェクトマネジメント研修をゼロから立ち上げ、現場視点に立った研修スタイルに定評がある。 現在は、「育てるのが苦手な現場リーダー」の支援をテーマに、人材育成・チームビルディング研修・コーチングを実施中。 「理論だけで終わらせない、“使える育成”がモットーです」