落ち込んでいる人を、そっと勇気づけるには

「励ましほど力強いものはない。
ほほえみ、希望の言葉、
そして困難な状況での“あなたはできる”の一言だ。」

――リチャード・M・デヴォス(アメリカの経営学者)


頑張っているのにうまくいかないとき、人は…

物事が期待どおりに進まない。
そんな経験、誰にでもあります。

夢を実現しようと進んでいるとき、
たとえば仕事のプロジェクトであっても、
すべてが計画通りに進むわけではありません。

たとえリスクを予測して、万全の準備をしていても、
予期しないトラブルや、想定外の出来事、
あるいは自分ではどうしようもない災難──
そうした「想定外」が私たちを襲ってくることがあります。

そうなると、人は落ち込みます。
「なんで自分ばかり…」
「もう無理かもしれない…」
そう感じてしまうのも、自然なことです。


「頑張れ」じゃなくて、「そばにいるよ」が心に届く

そんなときに、よく言われるのが
「もう少し、頑張れ!」
「あとちょっと、踏ん張って!」

もちろん、励ましのつもりで言っているのでしょう。
でも、落ち込んでいる本人には、プレッシャーになることもあります。

そんなときにこそ、本当に届くのは──
「私はあなたの味方だよ」
「大丈夫、そばにいるからね」
そんな“寄り添う言葉”ではないでしょうか。

順調だった流れが突然止まってしまった。
うまくいくと思っていたのに、つまずいてしまった。
そんな時、誰かの優しい一言が、
心に小さな光を灯してくれるのです。


励ますって、何をすればいいの?

「でも、どう励ましたらいいのか分からない…」

そう思う方もいるかもしれません。


大丈夫。無理に“正しい言葉”を探さなくてもよいのです。

ただ、
「私はここにいるよ」
「あなたの話、聴くよ」
そう伝えるだけでも、十分なのです。

ときには、隣に座って、黙って一緒にいるだけでも。

励ましとは、力強い言葉ではなく、
「あなたの存在が安心になる」
そんな“関わり方”のことなのかもしれません。


励ましのヒントは、身近なところにも

今はネットでたくさんの情報が手に入ります。
たとえば──

  • 「大切な人を励ますシンプルな8つの言葉」
  • 「頑張れは逆効果?励ましたい時の話し方」
  • 「凹んでいる女の子を励ます一言9パターン」
  • 「彼が落ち込んでいる時にかけたい言葉まとめ」

気になるキーワードで検索すれば、参考になる言葉や考え方が見つかるかもしれません。

私の若い頃は…とにかく本を読んでいました。
悩んだとき、ふと頭に浮かぶのは、
「昔読んだあの一節」。
本の中の言葉に背中を押されること、何度もありました。


助けが必要なときは、誰かに頼ってもいい

いまは、コーチ、カウンセラー、セラピストなど
話を聴いてくれる専門家もたくさんいます。

どうしても辛いときは、
誰かに頼っても、決して恥ずかしいことではありません。

ただし、くれぐれも“えせ○○”にはご注意を。
信頼できる人、安心できる人を選んでくださいね。


最後に──あなたも誰かの「支え」になれる

励ましの言葉をかけたからといって、
すぐに相手が元気になるとは限りません。

でも、その言葉は、
きっとどこかで力になります。

私も、そんな「励ます人」でありたいと思っています。
そして、もしあなたの周りに、
落ち込んでいる人がいたら──

そっと、寄り添ってみてください。
それだけで、もう“十分な勇気”なんですから。

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元・国土交通省 航空局勤務。 航空保安無線施設の維持管理、工事監督、設計・積算業務を20年以上担当し、現場リーダーとして数多くのチームマネジメントと人材育成に携わる。 その後、航空保安大学校にて教官として後進育成に従事。プロジェクトマネジメント研修をゼロから立ち上げ、現場視点に立った研修スタイルに定評がある。 現在は、「育てるのが苦手な現場リーダー」の支援をテーマに、人材育成・チームビルディング研修・コーチングを実施中。 「理論だけで終わらせない、“使える育成”がモットーです」