人がお互いを好きと感じるとき、よりよい人間関係を築くコツ
「腹を空かせた犬にえさをやれば、その犬は決してかみついたりしない。これが、人間と犬の最も大きな違いだ。」
― マーク・トウェイン
「押したり引いたり、せっついたりしても、人は決して動かない。
だが、相手の得になるようなもっともな理屈を与えれば、彼らは従順に従うものだ。
人は“自分の理屈”で動く。あなたの理屈ではない。そして、その理屈は常に“感情的なもの”だ。」
―『豊かな人間関係を築く47のステップ』P.35より
「押してもダメなら引いてみな」では、人は動かないようですね。
どうやら、“感情に訴える”ことが有効なようです。
そもそも、人は何かを必要としている、あるいは期待しているからこそ、誰かと関係を結ぼうとします。
ということは――
「この人は、何を必要としているのだろう?」
と、先回りして考えることが、人間関係の第一歩かもしれません。
あるいは、
「人はなぜ行動するのか?」
「この人が私と関わり続けたいと思うとしたら、私は何をすればいいのか?」
と問いかけてみるのです。
難しく考える必要はありません。
ちょっと言葉は悪いですが、これはいわば**「人たらしの論理」**とも言えるでしょう。
歴史で言えば、人たらしの名人として有名なのは豊臣秀吉。
現代で言えば、田中角栄さんなどがその代表でしょう。
(今回はこのお話には踏み込みませんが…!)
さて、昨日のセミナー「好感度アップのコミュニケーション術」でお話した内容とも重なるのですが――
「人がお互いを好きになるとき」って、どんなときでしょう?
それは、「似ている」と感じたときなのです。
「似たもの同士」という言葉がありますよね。
あれは、ただの偶然ではありません。
人は、「この人、なんか似てるな」「価値観が合いそう」と感じたときに、心の距離がぐっと縮まります。
一緒にいて楽しいと感じるのです。
コーチングの世界では、信頼関係を築くために、ミラーリングやペーシングという技法を使います。
相手のしぐさや呼吸、話し方に合わせていく方法です。
つまり、
「一緒にいて心地よい人」になること。
そのために、まずは相手の世界に合わせる努力をする。
これが、よりよい人間関係を築く基本です。
そしてもう一つ大切なのは――
「相手が何を求めているのか」を理解しようとする姿勢。
こんなふうに書いている私も、正直なところ、若い頃はまったくできていませんでしたし、今でも時々うまくいかないことがあります。
でも、「意識する」だけでも、少しずつ変わっていくものです。
毎日ほんの少し意識していくことで、自然と身についていくのだと思います。