自分がしてほしいことを、誰かにも──“与えること”がつなぐ心の豊かさ
「他人のために何もしないことは、自分が存在しないのに等しい。
私たちは、他人のために何かをすることで、自らにも良いことをすることになる。
これが心の豊かさを得るための、最も素晴らしい秘訣だ。」
――ホーレス・マン(アメリカの教育改革者)
何かを“与える”とき、人は心から生き始める
グレン・ヴァン・エカレン著『豊かな人間関係を築く47のステップ』の中で、
「与えること」や「他者への働きかけ」が人間関係の本質であることが語られています。
本の中には、こんな話があります。
昔、ペルシャに一人の王がいました。
彼は民衆を深く愛し、ただ遠くから命令を下すのではなく、彼らの暮らしの中に溶け込むことを選びました。
身分を隠し、彼らと同じ目線で日々を過ごし、支え合い、分かち合う日々。
やがて、王は自分の正体を明かします。
民衆は驚きながらも、その変わらぬ温かさに、いっそうの敬意と信頼を寄せた──
私も、この物語をどこかで読んだ記憶があります。
きっと、深く心に残っていたのでしょう。
「してほしいことを、他人にも」──人類共通の原則
ヴァン・エカレンは言います。
人類が長い歴史の中で探し求めてきた「良好な人間関係を築く原則」は、たった一つのシンプルな言葉に集約される。
それが、
「自分のしてほしいことを、他人にもする」
この言葉は、イエス・キリストが弟子たちに語った言葉として、新約聖書にも登場します。
奪うよりも、与える人でありたい
現代社会では、スピードや成果が優先されがちです。
「勝ち組」「成果主義」「先手必勝」──
そんな言葉が飛び交う中で、気づけば
「奪う」「出し抜く」「打ち負かす」ことが当たり前のように感じてしまうことも。
でも、そうして得たものに、どれだけの喜びがあるでしょうか。
果たして、心は満たされるのでしょうか?
一方、“お返しのできない人に、何かを贈る”という体験。
これは、与える人にこそ得られる、深く温かい報酬です。
忘れられない、あの“ごちそう”の思い出
思い出すのは、貧乏学生時代のこと。
私には、いつも気にかけてくれた社会人の先輩がいました。
先輩はよく、ご飯を奢ってくれました。
私はお礼を言うのが精一杯で、見返りなど何も返せませんでした。
でも、先輩が私に本当に望んでいたのはきっと、
「いつか君が稼げるようになったら、同じことを誰かにしてあげなさい」
というバトンのような願いだったのだと思います。
私の父が言っていました。「喜んでごちそうになれ!」と。
「いつか君が稼げるようになったら、同じことを誰かにしてあげなさい。」
バトンは引き継がていたのですね。
その思いを、私は今でも心に持ち続けています。
小さなことでいい、自分にできることを
与えることは、大きなことでなくてもかまいません。
笑顔、ねぎらいのひと言、そっと差し伸べる手。
“自分がしてもらったらうれしいこと”を、
自分から先に誰かにしてみる。
そんなシンプルな行動が、
人との関係も、そして自分自身の心も、あたたかくしてくれる気がします。
最後に
私は最近、こう思うようになりました。
「無理をしなくていい。できる範囲で、人の役に立てばそれで十分」
与えることは、立派な人だけのものではなく、
生きているすべての人にできる、最も人間らしい行為なのだと。
今日も、どこかで誰かが、
あなたのさりげない優しさに、きっと救われています。
あなたに、感謝をこめて。
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