伝えにくいことを、穏やかに伝える方法
~相手の心に届く、優しさと勇気のコミュニケーション~
たとえば、部下に対して「このやり方は間違っている」と伝えたいとき。
たとえば、同僚に「もう少し協力してほしい」と伝えたいとき。
そのまま口にすれば、きっと相手はムッとする。
でも、黙っていれば、自分の中にモヤモヤが残る。
そんな“伝えにくいこと”を前に、言葉を飲み込んでしまった経験はありませんか?
私はあります。
そして、そういう場面ほど、私たちの「伝える力」が試されているのだと思います。
「伝え方」は“正しさ”より“関係性”
多くの人が、「どう言えば正しく伝わるか?」に意識を向けがちですが、
実は大切なのは「どう言えば関係がこじれないか?」という視点です。
人は、内容よりも“伝えられ方”で心を動かされます。
同じことでも、怒った顔で言われるのと、穏やかなトーンで言われるのとでは、受け止め方が全く違いますよね。
穏やかに伝えるための3つのステップ
では、具体的にどうすれば「穏やかに」伝えることができるのでしょうか?
ポイントは次の3つです。
① まずは“自分の感情”を整える
「なんでこんなことを…」とイラッとしたまま話すと、言葉にトゲが出てしまいます。
まずは深呼吸をして、気持ちを落ち着けましょう。
その上で、「この人に、どうなってほしいのか?」という“願い”に意識を向けてみてください。
② “事実”と“感情”を分けて話す
「あなたっていつもいい加減!」ではなく、
「〇〇の件で、予定より3日遅れていることに気づきました。ちょっと心配しています」と伝える。
批判ではなく“観察された事実”を起点にすると、相手も防御的になりにくくなります。
③ “どうしたいか”を一緒に考える
一方的に指摘するのではなく、「じゃあ、どうしたらよさそうかな?」と一緒に考える姿勢を持つ。
それだけで、伝える側も受け取る側も、ぐっと楽になります。
「伝えにくいこと」は、関係を壊す言葉ではなく、
関係を深めるチャンスになることもあります。
そのためには、少しの工夫と、少しの勇気が必要です。
優しさを持って、でも自分の思いを引っ込めない。
そんなバランス感覚が、リーダーには求められているのかもしれません。
💬次回予告
次回は「“どうせ伝えても無駄”と思ったとき、どう考えればいい?」をテーマにお届けします。