「コミュニケーションは大事だよ!!」
耳にタコができるほど聞かされる言葉ですよね。
でも、今日はあえて逆のことを言います。
「コミュニケーションは、カットしましょう」
「えっ、言ってること矛盾していない?」と思われたかもしれません。
でも、現場で指揮を執る皆さんなら、薄々感じているのではないでしょうか。
実は、コミュニケーションには莫大な「コスト」がかかっているということに。
■コミュニケーションは「時間泥棒」になり得る
「ちょっといいですか?」と声をかけられ、チャットの通知が鳴り止まない…。
これらは、よく言われる「時間泥棒」です。
コミュニケーションの頻度が高すぎると、こんな弊害が生まれます。
・意思決定のスピードが遅くなる: 全員の合意をとろうとして、タイミングを逃す。
・従業員が疲弊する: 作業を中断されるストレスや、会議疲れで本来の業務が進まない。
良かれと思ってやっているコミュニケーションが、実は組織の足を引っ張っていることもあるのです。
■人が増えればコストは爆増する「ブルックスの法則」
この「コミュニケーションコスト」について、久々に『ブルックスの法則』を思い出しました。
プロジェクトマネジメントの世界では有名な法則です。
「遅れているソフトウェアプロジェクトへの要員追加は、プロジェクトをさらに遅らせる」
なぜなら、「チームの人員が増えれば増えるほど、コミュニケーションのボールパス(経路)が増えていくから」です。
単純計算で、人員を2倍にすると、コミュニケーションコスト(調整の手間)は約4倍になるとも言われています。
「人が増えたのに、なぜか仕事が終わらない」という現象の正体は、これなんですね。
★では、どうすればいいのか?
誰とも話さずに仕事をしろ、ということではありません。
細々したテクニックは省きますが、結局のところ落ち着く先はここです。
■「社内教育の仕組みを整える」
いちいち聞かなくても動けるようなマニュアル、判断基準の統一、教育システム。
これらを整えることで、「不要な確認作業(コスト)」をカットし、「必要な対話」に時間を割くことができます。
今年は、何を重点的に「社内教育を進めるか」と点検してみるのも良いでしょう。
まずは足元の「仕組み」を見直すことが、結果としてチームのスピードアップにつながります。
■「報連相」と「おひたし」
新人の頃、「報連相(ほうれんそう)は大事だよ!」と教わりました。
部下からの報告・連絡・相談ですね。
これに対して、最近は上司側のあり方として「おひたし」なんて言葉も聞きます。
お:怒らない
ひ:否定しない
た:助ける
し:指示する
「報連相」でコミュニケーションコストを上げすぎず、「おひたし」で心理的安全性を担保する。
このバランスこそが、今の時代のリーダーに求められる「コミュニケーションのカット術」なのかもしれません。
皆さんの組織では、コミュニケーションの「コスト計算」、できていますか?
追伸:マニュアルの「その後」
最後に、少し私の昔話を。
これまで、仕事で数多くのマニュアル作成に携わってきました。
ただ、振り返ってみると、周りはなぜか「作成して終わり!」になってしまうことが多かったように思います。
マニュアルは生き物です。作った瞬間から古くなっていきます。
「一度作ったら終わり」ではなく、「使いながら改善(改正)していく」。
その意識が少しでもあるだけで、組織のコミュニケーションコストはもっと下がっていくのになぁ……なんて、ふと思い出しました。
仕組みは「作ってから」が本番ですね。
