感情をぶつけられても、心が乱れない自分になる

“怒りをぶつけられた”とき、どう受け止めたらいいのか?

職場でも、家庭でも、ある日突然「怒りの矢」が飛んでくることがあります。
びっくりするような言葉、きつい口調、時には理不尽な言いがかりのようなものもあるかもしれません。

そんなとき、あなたはどうしていますか?

・「何か悪いことしたのかな?」と自分を責める
・「そんな言い方しなくても!」と反発したくなる
・「またか…」と黙って我慢してしまう

どれもよくある反応ですし、私自身もそうしてきたことがあります。
でも実は、相手の怒りを「そのまま受け取らない」ことが、自分を守るうえでとても大切なのです。


怒りの奥には、必ず「別の感情」がある

まず最初に、知っておきたいことがあります。

それは――
怒りは「二次感情」だということ。

つまり、怒りの奥には本当は違う感情が隠れているのです。

たとえば:

  • 不安だった
  • 寂しかった
  • 認めてほしかった
  • 悲しかった
  • わかってもらえなかった

それがうまく言葉にならなかったとき、「怒り」という強い感情にすり替わって、相手から飛んでくるのです。

これは、大人でも、子どもでも、立場のある人でも同じ。
言葉で伝える力よりも、感情が先に出てしまう瞬間――私たちは誰でもそんなときがあるのです。


怒りをぶつけられたときの“心の持ち方”

では、相手の怒りにどう向き合えばいいのでしょうか?

ポイントは、「受け止める」と「受け入れる」を分けること

  • 受け止める:相手の状態や感情を「そう感じているんだな」と一歩引いて観察すること
  • 受け入れる:自分が悪いとすべてを飲み込んでしまうこと

怒りをぶつけられると、つい「受け入れて」しまいがちですが、それでは自分がすり減ってしまいます。

だからこそ、
「この人、今ちょっと感情が溢れてるんだな」
「何か別のことに困っているのかもしれない」
と、一歩引いて“受け止める”意識を持つことで、自分の心を守ることができます。


相手の怒りに巻き込まれないためにできること

では、実際にできる行動としてはどんなものがあるでしょうか?

1. その場で反応しない

怒りの熱に巻き込まれると、こちらも感情的になってしまいます。まずは一呼吸。何も言わないという選択も、立派な対処法です。

2. 「私は今、責められている」と思わない

相手の怒りは、あなたに向かっているようで、実は「自分自身の感情」に向かっていることが多いのです。

3. “境界線”を意識する

相手の問題と自分の問題を切り分ける。これは練習が必要ですが、とても有効です。「私は冷静でいる」と心の中で繰り返すだけでも変わります。


最後に:怒りに込められた“声”に気づくとき

誰かの怒りを目の当たりにすると、自分の感情もざわざわしますよね。
でも、その怒りの奥にある「言葉にならなかった声」に少しでも耳を傾けてみると、違う景色が見えるかもしれません。

もちろん、何でも受け止めなければいけないわけではありません。
「これは受け止めきれない」と感じたときは、そっと距離をとっていいのです。
それも、あなたがあなたを守る大切な選択です。


あなたの心が、無理なく、穏やかでいられますように。

次回は、「感情的な相手と冷静に話すにはどうしたらいいのか?」についてお届けします。

怒らずに伝えるコミュニケーション術

~感情的にならずに、想いを届けるために~

前回、「怒りに振り回されない自分になる方法」として、自分の内側の感情に気づき、逃がす方法をお伝えしました。

でも、実際の人間関係の中では――
どうしても「伝えたいこと」がある。
けれど「感情をぶつけたくはない」。
そんな葛藤があるのではないでしょうか。

今日は、怒らずに自分の気持ちを伝えるための“コミュニケーション術”について、お話しします。


1.「怒りの奥」にある本当の気持ちを言葉にする

怒りは、二次感情と言われます。
つまり、本当の気持ちの“上に乗っている”感情なのです。

たとえば――

  • 怒っているけど、実は悲しかった
  • 怒ってしまったけど、本当は不安だった
  • 怒鳴ってしまったけど、わかってほしかった

こうした一次感情を伝えることで、相手の受け取り方は驚くほど変わります。

怒り:「なんでちゃんとやってないの?」
⇨ 一次感情:「すごく心配だったんだ。あなたに失敗してほしくなくて」

怒り:「何度言ったらわかるの!」
⇨ 一次感情:「伝え方が悪かったかもしれないけど、本当に助けてほしかった」

怒りが出そうになったら、いったん自分に問いかけてみてください。
「この怒りの奥には、どんな気持ちがあるんだろう?」


2.「あなたは〜」ではなく、「私は〜」で伝える

コミュニケーションにおいて、「あなたは〜」という言い方は、防衛反応を招きやすいと言われています。

たとえば――

  • 「あなたが悪い」
  • 「どうしていつもそうなの」
  • 「また遅れたよね」

このような言葉は、相手の言い分を引き出す前にシャッターを下ろさせてしまいます。

そこでおすすめなのが、「Iメッセージ」です。

  • 「私は、こう思った」
  • 「私は、こう感じた」
  • 「私は、こうしてほしかった」

主語を“自分”にすることで、相手を責めるのではなく、自分の思いを伝えることができます。

たとえば――

  • 「また遅刻?」⇨「時間どおりに来てもらえると、私は安心できるな」
  • 「なんで報告しないの?」⇨「報告してもらえると、私は助かるよ」

伝え方ひとつで、“対立”から“対話”に変えることができるのです。


3.「間をとる」勇気を持つ

感情が高ぶっているときに、冷静に言葉を選ぶのは難しいもの。
そんなときは、“いったん話さない”という選択肢を持つことも大切です。

・その場ではあえて黙る
・一晩置いてから伝える
・紙に書いて気持ちを整理する

怒らずに伝えるためには、「今すぐ伝えること」より「どう伝えるか」を大切にすることがポイントです。


感情をぶつけなくても、気持ちは伝えられる

怒ることが悪いのではありません。
でも、怒りに任せて話すことで、伝えたい「本当の気持ち」が届かなくなってしまうのは、もったいないことです。

  • 本当は、理解してほしかっただけ
  • 本当は、頼りたかっただけ
  • 本当は、大事に思っているからこそ

そんな気持ちが、相手に届くコミュニケーションを、
これから少しずつ育てていきませんか。


次回予告:

次回は、「“怒りをぶつけられた”とき、どう受け止めたらいいのか?」をテーマにお届けします。

怒りを受け取る側として、どう心を守り、どう関わっていけばいいのか――
一緒に考えていきましょう。


「人は幸せになるために生まれてきました」
あなたも、私も、怒りを超えて、幸せになっていいのです!

「また怒ってしまった…」を卒業する3ステップ

怒りに振り回されない自分になる方法

朝のちょっとした一言に、
職場の理不尽な対応に、
身近な人の無神経な態度に――

「なんで、そんな言い方するの?」
「どうして私ばかりが…」
そんな怒りがこみ上げてきた経験、誰にでもあるのではないでしょうか。

怒りは自然な感情です。
けれど、そのまま放っておくと、私たちは簡単に「振り回される側」になってしまいます。

今日は、怒りに振り回されないための3つの視点をお伝えします。


1. 怒りは“第2感情”と知る

実は、怒りの正体は「本音の感情のふた」。

たとえば…

  • 傷ついた(でも、悲しいとは言えなかった)
  • 不安だった(でも、弱みを見せたくなかった)
  • わかってほしかった(でも、伝える術がなかった)

そんな「第1感情」がうまく表現できなかったとき、代わりに現れるのが“怒り”です。

つまり、怒ってしまったときには、

「私は本当は、どんな気持ちだったんだろう?」
と、そっと問いかけてみること。

それだけでも、怒りの炎が少しずつ鎮まってきます。


2. 怒りを“逃がす”習慣を持つ

怒りを「抑える」だけだと、いずれ爆発してしまいます。
大切なのは、うまく“逃がす”こと。

たとえば:

  • 深呼吸(吸って、吐いてを5回だけでも)
  • その場からいったん離れる(トイレに行く、席を立つ)
  • 頭の中で「私はいま怒ってるな」と実況中継する
  • 手帳に“怒ったこと日記”を数分だけ書き出す

これは“感情の換気”です。
部屋の空気と同じで、換気をしないと淀んでしまいます。

怒りの感情も、閉じ込めるより「少し外に出す」ことで、自然と落ち着いていくのです。


3. 怒りに対する“セルフイメージ”を変える

「怒ってはいけない」
「怒るなんて大人げない」
そう思っていませんか?

実は、怒ること自体は“悪”ではありません。

怒りとは、「大切なものが傷ついたよ」というサインです。

ですから、

「私、何を大事にしていたからこそ怒ったんだろう?」
と考えてみてください。

たとえば:

  • 「丁寧なやりとりを大切にしてたから」
  • 「尊重されたい気持ちがあったから」
  • 「時間を守ることに誠実さを感じていたから」

こうした「大切にしたかった価値観」に目を向けると、
怒りに飲み込まれるのではなく、怒りを通して“自分を知る”ことができるのです。


怒りは、私を守ろうとする感情だった

怒りに振り回されると、自分を責めたくなります。
「また怒っちゃった…」
「器が小さいな…」

でも、怒りが湧くのは、あなたが何かを大切にしたかったから
それがうまく伝えられなかっただけなんです。

だからまずは、怒った自分を責めるよりも、

「私は、何を大切にしたかったんだろう?」
と振り返ってみてください。

それが、怒りに振り回されない自分への第一歩です。


次回予告

「怒りの背景には大切な価値観がある」
では、その価値観を相手にどう伝えればよいのか?
次回は、“怒らずに伝えるコミュニケーション術”についてお話ししていきます。

どうぞお楽しみに!

怒っている人に、どう接すればいい?不安になったときに読む話

相手の怒りにどう向き合えばいいのか?

怒っている人を見ると、ドキッとしますよね。

「え、私が何かした?」
「どうしよう、面倒くさいな…」
「もう放っておこうかな…」

そんなふうに心がざわつくのは自然なことです。
怒りという感情には、攻撃性や否定のエネルギーが伴うからこそ、私たちはそれを“危険”と本能的に感じてしまいます。

ですが――
その怒りの奥には、実はまったく違う“本当の気持ち”が隠れているのです。


怒りの奥には、必ず「伝えたいこと」がある

アンガーマネジメントの世界ではよく言われますが、
怒りは「二次感情」と呼ばれます。

つまり、本当に感じている一次感情(悲しさ、寂しさ、不安、虚しさ、悔しさなど)を覆い隠す“あとから出てくる感情”なのです。

たとえば、職場で部下がイライラしていたとします。

「なんでちゃんとやってくれないんですか!」
と語気強く言われると、こっちもムッとしますが、

もしかしたらその裏には――

  • 「自分だけが責められている気がしてつらい」
  • 「このまま評価が下がるのではと不安」
  • 「もっと信頼して任せてほしかった」

そんな想いがあるのかもしれません。


「この人は、何をわかってほしいんだろう?」

怒っている相手に向き合うとき、私がよく自分に問いかけるのはこの一言です。

「この人は、何をわかってほしいんだろう?」

そう問い直すことで、
私自身の“防衛本能”も少し落ち着き、
相手の話を“攻撃”ではなく“訴え”として聴けるようになります。


怒っている相手と話すときに意識したい3つのこと

  1. 正面からぶつからない
     → 反論したくなる気持ちはグッとこらえて、一歩引いて耳を傾ける。
  2. 相手の「感じていること」に焦点をあてる
     → 「そんなふうに感じてたんですね」「そう思ったんですね」と、“感情”に共感。
  3. 解決を急がない
     → 多くの怒りは「まず聴いてもらう」ことで自然と鎮まっていきます。

「怒り」は“悪”ではない

怒りを否定する必要はありません。
大切なのは、それをどう扱うか。

怒りの奥には、相手の価値観や守りたいもの、大切にしている想いがあるのです。

それに気づけたとき、怒っている人もまた、
「わかってもらえた」と少しずつ変わっていきます。


最後に:あなた自身を守るために

もちろん、無理して相手の怒りをすべて受け止める必要はありません。
理不尽な怒り、攻撃的すぎる態度からは「距離を取る」ことも大事です。

でももし、少しでも「この人と関係を築き直したい」
「もう一歩、わかり合えたら」と思えたときには――

相手の怒りの奥にある“本当の気持ち”を想像してみてください。

怒りの裏側にある心の声に、そっと耳を傾けられるあなたは、
きっと信頼される存在になっていくはずです。


「相手の怒りの奥にある“本当の気持ち”に目を向けること。
それが関係性の再出発になります。

でも――
では、自分の怒りはどうしたらいいの?
そんな声も聞こえてきそうですね。

次回は、『怒りに振り回されない自分になる方法』についてお話しします。」

自分の器を守るために:怒りを上手に流す技術

怒りをうまく“逃がす”方法

〜感情に飲まれない、自分のための選択〜

前回のブログでは、「器を大きくする」というテーマで、怒りとの向き合い方についてお話ししました。

「感情を抑える」のではなく、「感情に気づき、選択すること」が大切。

これは、私自身が何度も感情に振り回されながら、ようやく気づいたことです。

では今回は、「どうやって怒りをうまく逃がすのか?」
具体的な方法について、私の経験も交えながらご紹介していきます。


■ 怒りは「悪者」じゃない

まず大前提としてお伝えしたいのは、
怒りは悪い感情ではないということ。

怒りは、あなたの中の「大切にしたいこと」が傷つけられたときに生まれる自然な反応です。
つまり、怒りの裏側には、あなたの大事な価値観やニーズがあるのです。

大切なのは、怒りに気づいたときに「どう扱うか」。
その方法をいくつかご紹介します。


■ 怒りを“逃がす”ための5つの具体策


① 深呼吸+脱出スイッチを持つ

怒りのピークは6秒と言われています。
まずは「深呼吸3回」で自律神経を整えましょう。

加えて、「その場から一度離れる」「飲み物を一口飲む」など、
“怒りのスイッチを切る行動”を自分の中に1つ決めておくと良いです。

例:
・お手洗いに行く
・口の中で「まあ、いっか」と唱える
・窓を開けて空気を入れ替える など


② 頭の中で実況中継をしてみる

怒っているとき、感情が渦を巻きます。
そんなとき、あえて心の中でこう実況してみてください。

「今、私は腹が立っている」
「〇〇と言われて、モヤっとしている」
「この怒りの奥には、わかってほしい気持ちがあるかも」

言葉にしてみることで、感情と距離が生まれます。
“冷静な自分”を取り戻すきっかけになります。


③ 紙に書き出す

スマホやノートに、頭の中のモヤモヤを「そのまま」書き出してみましょう。
誰にも見せないので、遠慮はいりません。

書くことで思考が整理され、「なんでこんなに怒ってたんだっけ?」と冷静になることもあります。


④ 身体を動かす

怒りはエネルギーです。ため込まずに身体で発散するのも有効です。

・散歩や軽いストレッチ
・床の雑巾がけ(意外とスッキリします)
・お風呂に入って身体をゆるめる

運動が苦手な方は、呼吸を深くすることだけでもOKです。


⑤ 「怒り日記」をつけてみる

毎日でなくても、「今日、何にイラッとしたか」を記録してみましょう。

そこには、あなたの価値観や「本当はこうありたい」という願いが隠れています。

怒りを記録することで、
・自分が何に反応しやすいか
・どんなときに怒りが湧くか
・怒ったときの体の変化(頭が熱くなる、息が浅くなるなど)
が見えてきます。

この「自分を知る」ことこそ、怒りに強くなる第一歩です。


■ 怒りを流せる人は、人生がラクになる

怒らない人ではなく、怒りを「扱える人」になろう。
私がいつも心に留めている言葉です。

感情を我慢せずに、健やかに逃がすことができれば、
人間関係はぐんとラクになりますし、自分自身の心もとても軽くなります。

怒りに飲まれて疲弊するのではなく、
怒りとうまく付き合って、自分の心を守る

それが「感情のセルフマネジメント」なのだと思います。


■ まとめ

怒りを逃がすためには、

  • まず深呼吸して感情と距離をとる
  • 頭の中で「今の感情」を実況する
  • 書き出す・動く・記録することで、怒りを外に出す

こうした小さな習慣が、感情に振り回されない自分を育ててくれます。


怒りに向き合うことは、自分を大切にすることです。
無理なく、少しずつ、試してみてくださいね。


🔶次回予告

次回は、「相手の怒りにどう向き合えばいいのか?」について、
やっかいな人との関わり方をテーマにお届けする予定です。

明日から、ちょっとだけ怒りを手放してみる

器を大きくするってどういうこと?

〜怒りに振り回されない自分になるために〜

「なんでこんなことでイライラしちゃうんだろう」
「また怒ってしまった。器が小さいな、自分……」

そんなふうに感じたこと、ありませんか?

私自身、かつてはすぐ感情が爆発してしまうタイプでした。
ちょっとした一言に傷ついたり、思い通りにならないことに腹を立てたり。
そして、あとから自己嫌悪に陥る——そんな日々でした。

でも最近、少しずつ気づいてきたことがあります。
それは、「器が大きい人」というのは、“怒らない人”ではない、ということです。


■ 「器が大きい人」ってどんな人?

世間でよく言われる「器の大きい人」という言葉。
なんとなく「優しい人」「我慢強い人」「怒らない人」というイメージがあるかもしれません。

でも本当は、「感情を感じない人」ではなく、
**“感情が湧いたときにどう扱うかを選べる人”**のことなのだと思います。

言い換えると、怒りや不満が生まれたとき、
それにすぐ反応せずに、**“一呼吸おいて対処できる人”**です。

私たちは日々、たくさんの出来事に出会います。
腹が立つこともあれば、悲しくなることもある。
器が大きい人とは、それらを受け止めた上で「どう動くか」を選べる人。

つまり、“感情に振り回されない”人です。


■ 怒りの奥にある「わかってほしい」という気持ち

そもそも、人はなぜ怒るのでしょう?

それは、
・自分の期待通りにならなかったとき
・理解してもらえなかったとき
・無視されたと感じたとき など

多くの場合、その奥には「わかってほしい」という願いがあります。

私自身、以前はイライラをぶつけることで、自分の存在を認めてもらおうとしていたのかもしれません。
でもそれでは、逆に人との距離は広がってしまう。

だからこそ、怒りをコントロールするということは、
単に“抑える”ことではなく、自分の本当のニーズに気づいてあげることなのだと思います。


■ 器を大きくするための5つのステップ

ここからは、私が実際に試して効果があった、「器を大きくする」具体的な方法を5つご紹介します。


STEP1:感情を否定せず、「今、私は怒っている」と認める

怒りを抑え込むのではなく、まず気づくこと。
「いま、私は怒っているな」と心の中で言語化するだけで、気持ちに少し距離ができます。


STEP2:反応の“間”をつくる

怒りのピークは6秒。深呼吸や、少し目を閉じて数を数えるだけで、衝動的な反応を防げます。


STEP3:「本当に反応する価値があるのか?」を問い直す

この場面、本当に怒る必要がある?
ただの自分のプライドが刺激されたのでは?
“選択する感情”に気づく練習です。


STEP4:「この人がこう言った背景に、何があるんだろう?」と想像してみる

相手も完璧じゃない。もしかしたら余裕がないのかもしれない。
「理解しよう」とする姿勢が、器を広げてくれます。


STEP5:日常で“許す”練習をしてみる

電車でぶつかった人、レジで無愛想だった人。
「まあ、いっか」「そういう日もある」と、受け流してみる。
小さな許しの積み重ねが、やがて大きな器につながっていきます。


■ 器は、育てられる

器の大きさって、生まれつきじゃないんです。
何度も感情がこぼれながら、試行錯誤していく中で、少しずつ育てていくもの

私も、今ようやくそのスタート地点に立ったような気がしています。


■ まとめ:まずは「気づくこと」からはじめよう

「自分の器を大きくしたい」
そう思ったときが、変化の第一歩です。

怒りに飲み込まれそうになったら、まずは一呼吸。
「この感情はどこから来ているんだろう?」と問いかけてみてください。

そして、感情に巻き込まれない“自分との距離感”を持つこと。
それこそが、「器を広げていく」ということなのだと思います。


🔶次回予告

次回は、「怒りをうまく“逃がす”方法」について、
さらに具体的にご紹介していきます。お楽しみに!

「わかってくれない!」と感じたときに読む話 〜怒りの奥にある本当の気持ち〜

誰にも理解されないとき、人は…

誰にも理解されないとき、人はイライラし、怒りを感じ、
そして落ち込むものです。

「人を知るのは心だ。目や知性ではない。」
― マーク・トウェイン

あなたの周りに、少し扱いにくいと感じる人はいませんか?
もしかすると、その人はただ、自分の立場を理解してもらいたいだけなのかもしれません。

(『豊かな人間関係を築く47のステップ』P.33より)


怒りの奥にあるもの

世の中では「アンガーマネジメント」が注目されていますが、
そもそも、人はなぜ怒るのでしょう?

理由のひとつは、
「自分の期待どおりに物事が進まないから」。

もうひとつは、
「自分のことを理解してもらえないから」。

ほかにも、こんな言葉が心の中に渦巻いていませんか?

  • なぜ、わからない!?
  • わかってくれない!
  • なぜ、できないんだ!

私自身、以前はよくイライラを爆発させていました。
職場でも、家庭でも…40代の頃の話です。

その頃、タバコの本数もどんどん増えていました。
今振り返ると、あの頃の感情は不思議です。

「一生懸命やっているのに、わかってもらえない!」

いったい、あれは何だったのでしょう。

――たぶん、ただ「自分の言葉をわかってほしい」と、
  それだけだったのかもしれません。


行動の裏にある“ポジティブな意図”

あの頃の私は、怒りに満ちていました。
人間関係の中で、自分の「行動」がそのまま「自分の価値」や
「アイデンティティ」だと、決めつけられていたように思います。

なんて悲しいことでしょう。
ただ、わかってほしかっただけなのに――。

人間関係において、最大の間違いは、
「特定の行動だけで、その人の価値を決めつけてしまうこと」です。

たとえ誰かが、

  • 酷い言動をとったとしても
  • 誰かを傷つけたとしても
  • イライラを爆発させたとしても

「この行動の裏にある、ポジティブな意図は何だろう?」
そう自問することで、
その人が何かの“ニーズ”を満たそうとしていたことが見えてきます。

つまり、「理解しよう」とすること。
それが、大切なのです。


今から変わればいい

「あのとき、これがわかっていたら…」
そんなふうに思う必要はありません。

今、あなたがそれに気づいたのなら、それでいいのです。

過去は変えられません。
でも、未来は変えられます。

さあ、今から始めましょう。


では、自分の怒りは?

「相手の怒りを理解する」ことはわかりました。

では――
私自身の怒りはどうやって解放したらいいのでしょうか?

怒りのバロメーターがMAXになる前に、
まずは深呼吸してみる。これは古くて王道、でも有効な方法です。

そして、もうひとつは――
自分の器を大きくすること

この続きは、また次回お届けします。

若い頃の失敗が教えてくれた、信頼される人の共通点

人がお互いを好きと感じるとき、よりよい人間関係を築くコツ

「腹を空かせた犬にえさをやれば、その犬は決してかみついたりしない。これが、人間と犬の最も大きな違いだ。」
― マーク・トウェイン

「押したり引いたり、せっついたりしても、人は決して動かない。
だが、相手の得になるようなもっともな理屈を与えれば、彼らは従順に従うものだ。
人は“自分の理屈”で動く。あなたの理屈ではない。そして、その理屈は常に“感情的なもの”だ。」
―『豊かな人間関係を築く47のステップ』P.35より

「押してもダメなら引いてみな」では、人は動かないようですね。
どうやら、“感情に訴える”ことが有効なようです。

そもそも、人は何かを必要としている、あるいは期待しているからこそ、誰かと関係を結ぼうとします。
ということは――

「この人は、何を必要としているのだろう?」
と、先回りして考えることが、人間関係の第一歩かもしれません。

あるいは、

「人はなぜ行動するのか?」
「この人が私と関わり続けたいと思うとしたら、私は何をすればいいのか?」

と問いかけてみるのです。

難しく考える必要はありません。
ちょっと言葉は悪いですが、これはいわば**「人たらしの論理」**とも言えるでしょう。

歴史で言えば、人たらしの名人として有名なのは豊臣秀吉
現代で言えば、田中角栄さんなどがその代表でしょう。
(今回はこのお話には踏み込みませんが…!)

さて、昨日のセミナー「好感度アップのコミュニケーション術」でお話した内容とも重なるのですが――

「人がお互いを好きになるとき」って、どんなときでしょう?

それは、「似ている」と感じたときなのです。

「似たもの同士」という言葉がありますよね。
あれは、ただの偶然ではありません。

人は、「この人、なんか似てるな」「価値観が合いそう」と感じたときに、心の距離がぐっと縮まります。
一緒にいて楽しいと感じるのです。

コーチングの世界では、信頼関係を築くために、ミラーリングペーシングという技法を使います。
相手のしぐさや呼吸、話し方に合わせていく方法です。

つまり、

「一緒にいて心地よい人」になること。
そのために、まずは相手の世界に合わせる努力をする。

これが、よりよい人間関係を築く基本です。

そしてもう一つ大切なのは――

「相手が何を求めているのか」を理解しようとする姿勢。


こんなふうに書いている私も、正直なところ、若い頃はまったくできていませんでしたし、今でも時々うまくいかないことがあります。

でも、「意識する」だけでも、少しずつ変わっていくものです。
毎日ほんの少し意識していくことで、自然と身についていくのだと思います。

「一度、すべてを受け入れてみたら、自分が見えてきた」

自分に正直に生きるということ

「自分らしく生きる」「自分の気持ちに正直に生きる」「我慢しなくても良い」。
最近よく耳にする言葉ですね。
どれも素敵な響きですが、誤解してほしくないのは、「わがまま」とは違うということです。


人に迷惑をかけずに生きる?それって可能?

「人様に迷惑をかけずに生きる」——そう言われると、つい頑張ってしまう方も多いかもしれません。
でも、私は思うのです。
人は誰しも、意図せず誰かに影響を与えてしまう存在だと。

何かを始めれば、必ず誰かと関わり、そこにはプラスの影響もあれば、マイナス(と感じる)影響も生まれます。
それでも、「まあ、お互いさま」と笑って受け流せる関係性があれば、大きな問題にはなりません。


すべてを受け入れて、そこから選べばいい

社会には、ルールやマナー、道徳があります。
それらをすべて受け入れるのはしんどいし、逆に全部を否定すると孤立してしまいます。

だから私は、こう考えます。

一度、すべてを受け入れてみる。
その上で、取捨選択する。

  • 自分にとって大切にしたいもの
  • 絶対に受け入れられないもの
  • どちらでもいいもの

いきなり否定しようとすると、ものすごくエネルギーが要ります。
でも「まずは受け入れてみる」と、少し肩の力が抜けるものです。


自由とは「自分を管理すること」

私は、「自由」とは自分自身をマネジメントすることだと考えています。

自分に正直に生きるには、

  • 自分が大切にしているもの
  • 自分の価値観
  • 自分の使命(ミッション)

これらを明確にすることが第一歩。
そのうえで、世間の価値観との違いを知り、自分を整える。

その積み重ねが、望む人生へとつながるのだと思います。


最後に、ちょっとだけ本音を。

少し余談ですが……
私、以前PMP(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)でした。
仕事のマネジメントはしっかりやれるのに、なぜか自分のこととなるとルーズになるんです(笑)

特にスケジュール管理は甘くなりがちで、「秘書がほしい!」と本気で思うこともあります。

そんな私にも、相談できるメンターやコーチがいてくれたから、今の自分があります。
一人でできないことがあるのは、悪いことじゃありません。


今日のあなたへ

あなたには、「一人ではできないな」と思うことがありますか?
私は、たくさんあります。

でも、それでいいんです。
今日も、素敵な一日となりますように。

「リスクは黙って通り過ぎてくれない」

プロジェクト・リスク・マネジメントの名著
『熊とワルツを』の中に、こんな一節があります(P.32 参照)。

リスク管理の責任は、リスクを無視した場合に代償を支払うことになる当事者が負わなければならない。

しかし、現実には――
責任を弱い立場の人に転嫁する。
あるいは、誰も責任を取らない。
そんな場面を目にしたことはありませんか?

もちろん、事が公になれば、話は別になるのでしょうが…。


人生の航海においては、
「まいた種は自分で刈り取らなければならない」ものです。

私は常々、「人間は自然には勝てない」と感じています。
だからこそ、何事にも謙虚な姿勢で臨むべきだと思うのです。

(もっとも、私が本当に謙虚かどうかは…ちょっと怪しいですが笑)


リスクというのは、見て見ぬふりをしても、勝手に通り過ぎてくれるものではありません。

でも、リスクを直視するのが怖いから、よくこんな言葉が出てきます。

  • 「そんなことを言っていたら、先に進めないよ」
  • 「起きてから考えればいいでしょ?」
  • 「みんなが賛成してるのに、なぜ水を差すの?」

――その結果、もし問題が起きたら?

「言い出しっぺ」に責任を押しつける。
うまく乗り越えたら、感謝の言葉ひとつもなく、
「私の功績です!」「私のリスク・マネジメントのおかげです!」と自画自賛する人まで現れる始末。

今も、そんな場面はあるのでしょうか?


本来、何かを始める前に、リスクは抽出しておくべきものです。
そして、時には**「第六感」**も大事になることがあります。


そんなことを言っている私自身――

仕事では「リスク・マネジメント」ができるのに、
自分の人生になると、うまくできない時があるんです。

なぜなんでしょうか?

たぶん、自分のことを客観的に評価するのが難しいからだと思います。

だからこそ、
自分一人ではできないことは何か?
と自問することは、とても大切なのではないでしょうか。


今日も、あなたにとって素敵な一日となりますように。