英語力「112カ国中78位」の日本、すすむ外国人の日本の離れ
昨年11月に発表されたEF英語能力指数(EF EPI)において日本人は112カ国中78位。英語力の低下が示すように、日本人は外国に興味を失ってしまったのでしょうか。
With コロナの中、ビジネスの世界で日本は海外からどのように見られているのでしょうか。
外国企業は日本への興味を失っている
フランス人のレジス・アルノー氏は次のように述べています。
外国人にとって日本はかつてより住みにくい国になっています。
パリ発東京行きのエールフランス航空の乗客は、成田空港の入国審査の非効率性を感じたといいます。この便の乗客であったフランス企業のトップたちは、すべての入国希望者に課せられた手続きなどをしないといけないことは理解していたのにもかかわらず。グローバル企業の幹部である彼らがうんざりしたのです。
審査官らは英語が苦手で、ほとんどの手続きを外国人スタッフに頼っていたのです。
さらに、手続きの最終段階で、日本人職員が書類をチェックした後、「再確認!」と言って、別の職員に渡し、同じ作業を繰り返したことです。「今の日本に本社の役員を招くことはとてもできない。こんなプロセスを経させたら会社はすぐさま日本への投資をやめるだろう」と、このフライトに乗っていたあるフランス人は嘆きます。
アルノー氏が来日した1995年当時、有力な国会議員のスタッフには、若い外国人研修生がおり、外国からの情報を議員に提供するなどしていました。
「しかし、今では外国人研修生はいなくなってしまった。そんなことをしたら、その議員は日本人よりも外国人を優遇しているというシグナルを送ることになってしまうからだ」と、あるアメリカ人ロビイストは語ります。
金融業界では、東京や福岡、そして大阪も「金融ハブ」を標榜しているのですが、日本には英語を話せる人材が不足しているうえ、不透明な規制があり、新しい考えの受け入れに消極的で、キャピタルゲインへの厳しい課税があるにもかかわらず、こうした問題を解決するための具体的な努力をしていないのです。海外の金融機関は東京を去り、シンガポールや韓国に拠点を置き始めています。
日本企業の買収に、いまだに興味を持つ外国企業もあります。「しかし日本企業は、外国企業に買収される位なら死ぬほうを好みがちだ」と、フランスの監査法人の支社長は嘆きます。
「日本離れ」は外交面でも起こっている
かつて国際企業の若い幹部候補たちは、キャリアアップの足がかりとして日本でのポジションを切望していました。が、今はもう違うのです。「日本離れ」は外交面でも顕著です。フランス外務省は、かつて最高の外交官を派遣していました。 1995年以降、外務省のトップ官僚である「事務局長」の9人中4人が元駐日大使でした。
フランスのマクロン大統領は、フランスが開催する2024年パリ大会を見据えて、8月に東京オリンピックの開会式のために訪日したが、ある関係者によると、菅政権の硬直性とどんなテーマでも妥協する意思のないことに愕然としたというのです。
日本政府がオリンピックを重要視していることは、日本が現在の世界を誤解していることの表れでもあります。2025年に大阪で開催される万博を重要視しています。しかし、世界的な博覧会は、今や開催国以外では誰も気にとめないローカルなイベントなのです。
(参考)
英語力「112カ国中78位」の日本で広がる外国嫌い
「そして外国人は日本を見捨てる」でいいのか
https://toyokeizai.net/articles/-/475201
佐藤好彦
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